2019年11月28日木曜日

ターミネーター2

ターミネーター2 4Kレストア版 [Blu-ray]

★★★★
~SFアクションの金字塔~

 1991年の米映画。1984年公開のターミネーターの続編となる。監督は引き続きジェームズ・キャメロン。

 前作の事件から10年後のカルフォルニアに再びターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)が送り込まれてくる。前作で標的とされたサラは息子ジョンに機械との戦いに備えた英才教育を施していたが行きすぎた行動から精神病院に収監。ジョンは里子に出されてハングレ状態。ターミネーターはジョン捜索を開始するが、それとは別にもう一人のターミネーターが送り込まれてくる。流体金属の体を自在に操り、姿形を変えながらこちらもジョンを目指して行動を開始。ハッキングで手に入れたお金でゲームセンターで遊ぶジョンの元に二人のターミネーターが到着した――。


 ヒット映画の2作目というものは非常に受け容れられるのが難しいものだが、ジェームズキャメロンは実にエイリアン2」と今作で輝かしい続編成功を収めており、この点だけでも特筆に値する。二つに共通して言えることは1作目で登場した要素の位置づけをうまくスライドさせて異なる関係性を作り出す事と、規模の圧倒的な拡大によるお祭感の演出であろう。
 エイリアン2では1作目では一体しか登場しなかったエイリアンを大量に登場させて「群れ」にし、さらに女王蟻ならぬ女王エイリアンを設定。海兵隊とエイリアン軍団の激突を構図として「今度は戦争だ!」のコピー。
 ターミネーター2では1作目の宿敵をあろう事か味方に据えて新型のターミネーターを追加。「ターミネーターvs人間」から「ターミネーターvsターミネーター」とした上に旧型と新型、剛と柔の対決をプロデュース。
 何かもう設定だけでときめくのである。
 
 流体金属の新型ターミネーターは当時としては出色のVFXで描かれており、イマジネーション含めて強烈なインパクトを残した。水銀のように銀色に流れる金属が人型になり質感を得て完全な擬態を行い、また体の一部を槍や剣のように変えて戦闘を行う。現在ではこれくらいの映像はテレビドラマでも実現されているが、当時は本当に驚いたものだ。あまりに気持ち良かったので劇場に二度も見に行った。
 映像だけで無く物語としても見所が多く、特にジョンとその保護者となったターミネーターの関係は父親を知らないジョンにとって父と触れ合うような形で描かれており感情移入させられる。タイムパラドックスにはあまり触れず、現在でのやり取りのみに集中しているのも安っぽくならなくて良い。
 改めて1と間を置かずに見てみると、1を踏襲している演出が数多くある事に気づく。有名なターミネーターのセリフ「I'll be back」であるが、1ではこれを受付に告げた後すぐに車で突入してくるというちょっとコメディーぽい使われ方をされている。2では緊迫したシーンで使われているが、このセリフの後車で突入してくる展開になっているのは同様。他にも1の最後で這いずりながら迫ってくるターミネーターの姿が2の最後でも同様に再現されており、ファンに嬉しいパーツが沢山ありそうである。

 この後「3」「4」「ジェネシス」とシリーズが続いたが2を最高潮として評価は下がっている。どれも楽しめる内容だが、確かに1と2程の親密感は無く、特別な作品にはなり得ていない。2の直系続編と銘打っていよいよキャメロン関与の高い「ニューフェイト」が公開されているが、いかな評価に落ち着くであろうか。

 関連作のリンク。3だけ感想ないんだ……。

◆シリーズ第1作『ターミネーター』 の自分の感想はこちら。

 
★★★☆☆
~演出の教科書~

◆シリーズ4作目『ターミネーター4』 の自分の感想はこちら。

ターミネーター4 スペシャル・エディション [Blu-ray]
★★☆☆☆
~ジョン・コナ―しっかりしてくれ~

◆シリーズ5作目『ターミネーター:新起動 ジェニシス』 の自分の感想はこちら。 

 ターミネーター:新起動/ジェニシス ブルーレイ+DVDセット(2枚組) [Blu-ray]
★★★☆☆
~極悪な予告編~

 ◆シリーズ6作目『ターミネーター:ニュー・フェイト』 の自分の感想はこちら。

ターミネーター:ニュー・フェイト [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
★★☆☆☆
~女子会もしくは同窓会~

◆同監督の傑作『エイリアン2』 の自分の感想はこちら。

エイリアン2 [Blu-ray]
★★★★
~相似拡大+α~

 

 

 

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