★★★☆☆
~大味そして尻すぼみ~
人間と機械の最終戦争。その勝敗を覆すためにタイムマシンで戦士を過去に送り込む。これが全三作の基本ラインだ。
今作はこれまで断片のみが描かれた未来の戦争自体を舞台としており、新シリーズといってもいい。事実これを皮切りに三部作が作成されるのだという。
しかしその基盤となる一作目、このターミネーター4がしっかり出来ているかというと幾分心許ない。そもそもタイムマシンものの常、タイムパラドックスが蜘蛛の糸のようにからみつき、こんがらがらざるを得ない。
実際ターミネーター3は多くの矛盾が指摘され、正史からはずされているとか。同様にターミネーター2の後を描いたテレビドラマ版ターミネーターも、内外に矛盾をはらみ、結局、直接のつながりはないパラレルワールドのお話ということらしい。いろいろ膨らみすぎて収集つかないのも、アーサー王伝説、三国志のような英雄談がたどる道なのだろうか。
作品自体は、派手で見せ場の多い、考えずとも楽しめるものだ。
基本的に細かいことは気にせずぶっ飛ばしちまえ、という単純傾向の作品なのでそういう風に楽しめれば良いのだが、前作までの設定が話を複雑にするのでそうも行かない。なかなか苦しいジレンマである。
また、序盤の異様な盛り上がり、スケールの大きさからどんどん尻すぼみになっていくのが残念。最初のヘリコプターが爆風に翻弄されるシーンなどは、長尺のワンカットでそれを描き、このCG全盛の現在において、どんな風に撮ったのだろうと考えさせてくれる。
巨大機械の破壊力。
バイク型兵器の機動力。
前作をリスペクトしたシチュエーション。
見栄えのするシーンも数多く、大作感も十分だが、印象としては標準的な評価となってしまうのが残念だ。
<追記>
この4を起点とした三部作は、今作の興業が振るわなかったため取りやめになってしまっ……。
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◆シリーズ第1作『ターミネーター』 の自分の感想はこちら。
◆シリーズ2作目『ターミネーター2』 の自分の感想はこちら。
◆シリーズ5作目『ターミネーター:新起動 ジェニシス』 の自分の感想はこちら。
★★★☆☆
~極悪な予告編~
◆シリーズ6作目『ターミネーター:ニュー・フェイト』 の自分の感想はこちら。
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