~きちんと描かれた序章~
★★☆☆☆
邪悪な帝国に支配された王国。支配の原動力は王に繰られるドラゴン。
対抗しうるドラゴンライダーは全て王によって駆逐された中、最後のドラゴンとドラゴンライダーが生まれる……。
こうした前置きで開始される物語の舞台は中世ヨーロッパに似た世界。そこに魔法とドラゴンが加わった王道のファンタジー。
雄大な世界設定のもと、登場人物の心情を丁寧に描いていくので、「良くある」という印象がつきまとってもきちんと感情移入できて期待感が高まっていく。
しかしこのペースでどこまで描けるのだろうと心配になってくる。結局、強敵との決戦はあるものの、大きな物語のはじまり部分を描くだけで終わってしまった。ちりばめた伏線も当然回収されることはない。
続きが気になる。続編はないものか。
と、情報を集めて落胆。シリーズ化を前提に作られたものの、興行成績がふるわず続編に関する動きは全くないらしい。そりゃないよ。
原作小説はこの後もきちんと描かれ、日本語訳も出版されている様子。映画続編は望めそうにないので小説で鬱憤を晴らすのがよいかも知れない。