2009年2月4日水曜日

劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムグランプリン オーロラ谷の奇跡 リボンちゃん危機一髪!

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★★★★★
~すべての出崎ファンに捧ぐ~

※2012/04/11修正。エイハブ船長とフック船長を間違っていました……。
エイハムはエイハブ船長が直結イメージなのでしょうが、自分にはやはりフック船長の系譜であり、そちらの印象の方が強いです。
まさかこんなところで泣かされるなんて。
まさかハムハム言ってるハムスターに、心臓を握られるなんて。
両足を肩幅に開き、腰を落とし、正拳を一発。

そういう作品でした。
出崎統監督の代表作といっても良いのではないか。
そう感じるほど、温度、密度、完成度、すべてが高い作品です。
53分と短いアニメーションですが、見応えは十分あり、観賞後の満足度は非常に高い。
そう感じるのは場面の「飛ばし」が見事なほど決まっているからで、見せたい場面、意味のある場面だけを数珠繋ぎにしたような印象。
ただ何も考えずそうすると、プロモビデオのような、断片の羅列になるだけです。
それをテンポの良い気持ちの良いつなぎとして的確にやってのけたスタッフの努力と力量。

にじみ出る、子供に伝えようとする楽しさと善意、強い心。
技術と意志が、奇跡のように調和されています。
底抜けに明るいムードの中で、みんながみんな楽しそうに、でもばかばかしい訳じゃない。
一生懸命な子供を優しく見守るような、それでいて、瞬間瞬間に教え諭されるような。
理屈ではない、感覚や感触でつながれたシーンの数々。
いったいどのようにして、あの一瞬を予期し、設計し、作り上げたのか!

夕日に飛び出すシーンに、やられました。
そんなに意味深いシーンではない。
複線もなく、ただ、眼前に唐突に展開されたシーン。
それなのに、魂がふるえた。

人生の謎の一片が、言葉ではなく解けた気がした。
なによりあの一瞬、ハム太郎と一身になりました。

ハムクックは、言わずもがな白鯨伝説のエイハブ船長、宝島のフック船長を連想させ。
魂として、これは「ガンバVS宝島」だと思うのです。
我が人生のマスターピースに出会えたことを感謝します。
制作に関わった皆さん、本当にありがとうございます。

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