2009年5月17日日曜日

ダイハード 4.0

★★★★☆
~「ダイハード1」の相似拡大~

これは良い。
細かいこと無視したハリウッド超大作。まさにエンターテイメント。
重々しくなることなく、ノリに身を流せて一喜一憂できる良作。

ハッキングによる世界支配という、考えてみればスーパーマンでも出てきたような話なのだが、これを良い具合にデフォルメして題材にしている。
あまりに現実に即しすぎて地味になることなく、おおざっぱにし過ぎてみてるのがあほらしくなるでもない、絶妙のいい加減さで事件を起こしている。

もうアメリカ復活不能ぐらいの壊滅的打撃を与えるテロ。そのほとんどが成功しているため、実際考えると主犯を捕まえても無駄だ。もうすでに数千数万の犠牲が出ているという状況。
しかし、描かれる範囲での死人が少ない。しかもほとんどが犯人グループ。

ダイハード1は、ビル乗っ取りのテロリスト達に一人で挑むという話しだが、4は、アメリカ全体を舞台にしているのに、実はこのパタンから外れていない。
主要機関を押さえられたビルと、ライフラインを分断されたアメリカ。これが、規模が違うのに相似形なのだ。

うまいのは、ライフラインを切断することで、本来発動するべきFBIや警察といった、組織的な危機管理機構が、早々に封殺されるという設定。
従って、自立的に判断し、無責任に行動できる主人公は、混乱した構造物の中を縦横に動き回る、一作目と同じヒーローなのだ。

こうなるともうあとはアイデア勝負。ともかく絵的なインパクトから話を作っているのではないかというくらい、無理矢理おもしろい危機的状況にはまりこんでいく。
無理矢理なので、ツッコミどころ多数だが、つっこんでる暇もなく物語は展開。もう途中から、そういう無粋はやめて、ただ単に映画を楽しんでいた。

見終わったあとの爽快感もあり、ぜひ映画館で見ておきたい作品。
しかし、もう次は世界を舞台にするしかないか……。
今回出てきた相棒役に代替わりするのがおもしろいではないかと思うのだが。

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