★★★☆☆
~ここまでやられるホワイトハウス!~
2013年米映画。
続編である「エンド・オブ・キングダム」を先に見ていたので逆順ということになるが特に問題はなかった。
マイクはシークレットサービスとして熱い信頼の元に大統領ベンジャミンの警護にあたっていたが、大統領夫人を不慮の事故から救い出せず死なせてしまう。
微妙な距離感となった大統領とマイク。
事故から1年半がたった頃、韓国首相が会談のためにホワイトハウスに訪れたタイミングで謎の武装集団が襲撃を開始。
首脳陣は地下の防護施設「バンカー」へ移動して難を逃れようとするが、それも犯人たちの計画の内であった――。
二作見たことでこのシリーズの基本というか定番が分かる。
今作も、二作目もおもしろい。
・まさかの事態が発生する
いわゆる「911」のような荒唐無稽と言える事態が発生。
言葉を選ばずに言うと、時間をかけて組み上げた複雑なレゴブロックを一息に崩し去ってしまうような。
驚愕と絶望とともに、どこかドキドキと暗いときめきが湧き上がる。
・敵の手際がものすごい
実際そんなの無理だろうと分かっていながら、ひょっとしてと思わせる敵の芸術的な手際。
そんなことありはしないという心の死角をついてくる。
主人公が的確な対応を随時取っても、それを上回る速度で敵の作戦が進行し、全体としては悪化の一途をたどる。
敵の想定した状況一色に染まった中、主人公だけがそのど真ん中で踏みとどまる。
孤立無援ながら、唯一の希望となる主人公の輝き!
どんどん追い詰められる事と、それに反して主人公の存在が際立っていく事はこのシリーズの最も重要な要素だろう。
・人が死にまくる
様々な社会状況に配慮した、昨今の映画内で起こる「マイルドな事件」と異なり、事件規模に相応しく人が死にまくる。
関係者も、無関係な市民も、気にせず死にまくる。 各国の指導者さえも死にまくる。市民に関しては直接の描写が避けられているが、これだけの規模なのに死傷者がいるのかいないのかといった保留を許さず、明らかに死にまくっている。そういう演出がなされている。
主人公も敵射殺、絞殺に迷いがない。変な人道は遙か彼方にほっぽって、ともかく守るべきもののために突き進むのは職に対して一途だと感じるし、すかっとする。
・大統領がただ守られる側ではない
えらい目にあってばかりの歴代最も不運な大統領ということが出来るだろうが、その逆境に精神的にも物理的にも立ち向かう。
敵と格闘し、傷を負いながらも勝利を勝ち取る。シークレットサービスである主人公と連携したバディものとして楽しむこともできる。
この男惚れしそうになる姿。アメリカではどのように受け取られているのだろう。
今作では韓国、北朝鮮辺りをふんわりと敵国にし、その遠因はアメリカ自身となっている。これも続編と似た構成なのでシリーズの基本なのかも知れない。最後大統領が「アメリカによりよき未来を」的なことをしれっというが、ナチュラルに自国のことしか考えていない辺り、いっそ潔いと思うし一国の指導者足るもの建前はともかく本心ではこう思って欲しい、というのは自分の偏りかな。
ドキドキはらはらが楽しめる、今時(もう結構古いか)のオススメアクション映画です。