★★☆☆☆
~ちょっと豪華な海苔弁映画~
1995年の米映画。美人弁護士守護アクション。
マイアミで活躍する女弁護士のケイトは、ある日突然ジョギング中に命を狙われる。事情聴取にあたったマックス刑事とはそりが合わず署を出るが、その夜、マックス刑事の目の前でケイトの家が爆破される。そのまま二人は暗殺集団から逃げるが、途中、護衛にかけつけた仲間の刑事が、次々と殺されていく。<WIKIPEDIAより>
今となってはそりゃないだろうというハイテク描写が多く登場。
屋外から煉瓦造りの家や列車をのぞき込み人間の位置を確実に表示する温度センサーカメラであるとか、ありとあらゆる所(警察署や民間の警備会社も余裕)にハッキング出来るスーパーハッカーとか――。
登場人物の行動もよく分からない。スーパーハッカーがいるのになぜか海底ケーブルに結線して銀行のATM回線に入り込む。銀行のお金を勝手に盗むのかと思いきや、自分で預けたお金を引き出すだけ。わざわざ海底にATMを開店させるのはなぜなのか。
敵組織はロシアの諜報部隊崩れなのだが、「海底ケーブル作業をしている船が離婚裁判の資産として請求されそう」⇒「弁護士を殺そう」という原始人かよという短絡さでわざわざ上陸して襲ってくる。とった手段がプロしか使わない高性能爆薬による家屋丸ごと爆破。なぜいちいち足がつく目立つ方法ばかりとるのか。しかもたまたまベランダに出ていたターゲットには逃げられる始末。
警察内部に協力者(主人公側から見ると裏切り者)もいるし、FBIになりすますし、ヘリコプターまで繰り出す始末。もう町中で戦車を乗り出しても驚かないくらいのはちゃめちゃ具合だが、ロケットランチャーをぶっ放したりしているし同じようなものか……。
このような荒唐無稽だが映画としては何があってもおかしくないという意味で先が読めない楽しさがある。舞台がどんどん変わっていくのもいい。最もすごいのが爆破シーン。冒頭の家の爆破から最後の船の爆破まで規模が半端ない。CGで補正しているのかも知れないが、1995年の映画であるし、基本実写だと思われる。これは相当気合いが入っている。
もちろんご期待通りの美人弁護士と辣腕刑事のロマンスもあるしきっちりまとまった海苔弁当という感じ。乗ってる白身魚のフライがとても大きいので満足感もあるよ。
1986年のスタローン主演映画『コブラ』と今作は同じ原作『逃げるアヒル』を元にした兄弟作品となるらしいが、話はまるで違っておりどういうこっちゃ。