2020年6月30日火曜日

アイ・アム・レジェンド

アイ・アム・レジェンド [Blu-ray]
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 ※古い感想に追記をした物です。
★★★☆☆
~エンディングが作品を軽くしている~

 2007年。米の人類絶滅サバイバル映画。

 とあるウイルスを元にして作られた抗ガン剤は人類に福音をもたらしたに見えたが、ウィルスの毒性が復活。
 空気感染による疫病の蔓延により、9割の人類が死滅。免疫のあった者のみが生き残ったが、そのうちのほとんどが太陽を忌み嫌う人類捕食者『ダーク・シーカー』となっていた。
 主人公ネビルは感染源となったニューヨークでたった一人の人間としてサバイバルを繰り広げる――。

 人っ子一人いない大都会の映像が目に新しい。群集シーンをとるのが大変とはよく聞くが、実在の大都市を空虚にする映像もまた同じくらい苦労したに違いない。
 映像に安っぽさは無く、大作の貫禄を感じるが、それ以上のインパクトはない。基本的にゾンビ映画なわけだが、その他作品と比べても特に目だった点がないのだ。

 一点あるとすればゾンビの頭領といえる存在で、彼が何故主人公をしつこく付け狙うのかというのが興味深い。
 が、そういった全編にちりばめられた関連するパーツをつなげる事なく、それらを台なしにする形で物語は終結する。何とも納得が行かないが、特典にあるもう一つのエンディングを見れば、多少は落ち着くことが出来る
 
 複数のエンディングパターンを製作し、試写の反応で決定するというのはハリウッドで良く取られる手法のようだが、スタッフの本命は「もう一つ」のほうであっただろう。しかし、それが没になった理由もわかる。もう一つのエンディングも、やはりしっくり来ない不安定な物だからだ。

 ともかく、ニーズに合わせてエンディングを切り替えるという手法は、手っ取り早く作品の印象を変えることができて効果的だが、積み上げられた本編と剥離しては意味が無い。きちんと作られた映画ほど、エンディングを切り替えるのは難しいはずで、今作はそういう意味ではきちんと錯乱状態で物語を終えている。


 

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