2020年6月4日木曜日

バトル・ロワイアルII 鎮魂歌

バトル・ロワイアル II 鎮魂歌(レクイエム) スペシャルエディション 限定版 [DVD] 

 ☆☆☆☆
~若手の演技が下手~
※2008年以前の感想に追記したものです。

 2003年邦画。大ヒットとなった1作目「バトル・ロワイアル」の流れを汲んだ続編。
 1作目は中学生の殺し合いを描くセンセーショナルな設定が賛否両論となり、結果大ヒットとなった。
 話題性だけでなく、ヤクザ物や時代劇でバイオレンス映画の巨匠となった深作監督の新境地として海外でも高い評価を得た。
 
 1作目は小説「バトル・ロワイアル」を原作としていたが、続編が執筆されていないため、今作は映画オリジナルとなる。
 中学生のクラスメート同士に国家が殺し合いを強制するという前作のその後、生き残った者たちがテロリストになり、それを殲滅するためにこれまた中学生が投入される。
 設定だけ聞くとなんやこれは、となるが納得行く説明はない。これは前作の殺し合いも同じで、とにかく特定の状況に放り込むことが目的なので、設定自体にはこだわらない方が楽しめる。いわゆるデス・ゲーム物としては丁寧に説明されている方だ。
 
 残念ながら今作は深作欣二監督の絶筆(っていうのかな?)となる。完成を待たず他界されてしまった。
 冒頭の数十分はおもしろいが、それ以降はだらだらとした展開。感情移入できない人々のうっかりちゃっかりを見せられるのみ。
 大人と子供の対立する世界で、子供同士の戦いが強制されるというシチュエーションなので、中高生の出演者が大半。彼らが、如何ともしがたく、演技下手。視聴中常に冷や水をぶっかけられるみたいなもので、心が風邪をひきそう。
 中途半端に馬鹿馬鹿しい展開にあきれていると、限界を越えた阿呆なシーンが突然飛び込んできて、これには驚かされる。嫌みではなく、あそこまで無茶苦茶だと「そういうもの」だと納得させられてしまう。このシーンには心が揺さぶられたが、これだけのために見る映画でも無く――。一通り観ればどこかはすぐに分かると思う。

 撮影半ばで力つきた監督の後を、プロデュースをしていた息子が継いだということだが、おそらくこの息子さんがほとんどの部分をディレクションしたのでは。そう思いたい。たたき上げの熟練監督にしては、つたなすぎる。
 
 特典映像で撮影風景が収められており、みんな一生懸命で真面目にテンション高くがんばっていた。……なのに、こんな作品になってしまう。映画というものは、本当に難しいものなのだな。



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