★☆☆☆☆
~本当に最後になれば良い~
エピソード8。
エピソード7のあれこれに辟易したので、もう今後のシリーズは見るまい。
そう考えていたのだが、同僚からの強いすすめでネットで単品視聴権をレンタル。
その同僚はかなり強固なB級映画マニアであるので、そういう意味で「見ておくべき」「感想を話し合いたい」という勧誘。
果たして、厳しい内容だった。
最後のジェダイが誰なのか、それはどういう状態のことなのか――。
旧主人公であるルークとレイアはどうなるのか――。
このあたりをフックとして興味を引こうと宣伝していたが、残念ながら満足行くどころか逆噴射的展開。
初っぱなからIQの低い展開に驚かされ、スター・ウォーズだもんなあと納得したのもつかの間。
ばかばかしい方向にそのまま
突っ走っていって帰ってこなかった。
これまで見た映画の中で、特に心に残る腹の立つシーンに
、「アルマゲドンの起爆スイッチ」がある。
小惑星の爆破処理に一人残って起爆スイッチを押す展開なのだが、さあ押すぞと言う段になって、回想シーンである。
「はよ押せ!」
心がそのままストレートに出た、珍しいくらいまっすぐな突っ込みが出来たと思う。
映画冒頭でこれ級の腹立ちシーンがあって驚いた。
初めでこれなら、この後どうなるんだろう――。
心配したとおり、そういったシーンのオンパレード。
当然
テンションの自己回復は間に合わないし、好意的に解釈しようとする認識調整も手に負えない。
たどり着いた
終盤での状態はもう半笑い。どうにでもしてくれという諦観。
ここで、あれである。見た人には分かる諸行無常シーン。
――
豚バラアタック。
自分はそう名づけた。
個別に目をとらわれがちだが、
全体の構成がまずいのも明記しておきたい。
帝国軍に追いかけられる同盟軍のクルーザー。帝国軍を撒くためにあれこれしよう! が前提の流れ。
つまり
、クルーザーは延々追いかけられており、何とかしよう班が別惑星に向けて分離したり、初めから外にいたメンバーががんばったりする。
燃料が無くなる時がタイムリミット。
主役級にしたい登場人物が多くなったので分割の展開になりました、という感じだが、クルーザーは数日? 逃げ続けており、
緊迫感のなさがすごい。
そもそも追撃をかわすために他の星から技術者を連れてきて、追撃する艦艇に忍び込んでレーダーを壊そう、という作戦である。
スター・ウォーズにしてもバカすぎる。
しかも、それぞれ個別の作戦なので連携も糞も無く、結局内緒にしていた本命作戦の邪魔をしただけ。
何度も言いたくなる。スター・ウォーズにしてもバカすぎる。
これなら
燃料を延々運搬し続ければ良いのでは無いか。
エピソード8の撤回とやり直しを望む署名があるという、その気持ちはよく分かる。
自分は決して熱心なファンでは無いが、これはやり過ぎだと思う。
まるで、ギャグに特化した
パロディのスピンオフみたいなものだ。
金田一の映画シリーズに紛れ込んでいる、「金田一耕助の冒険」だ。
パロディならば、どんな珍奇な展開も許容できる。
だが、撤回は難しいだろう。
信じがたいのだが、この映画を高く評価する人もいるようだし、興行的には十二分な成果をもたらした。
次の作品も動いているようだし、
もう止まらない列車が走り出したのだ。
自己崩壊しながら進む列車はどんな姿で次の駅に辿り着くのだろう。
心に残っているシーンはたくさんある。
・レイアのティンカーベル
・ルークのサバイバル講座
・5分で簡単ジェダイ講座
・ぽいぽいライトセイバー
・やっと気づいた光速アタック
・豚バラアタックからの豚バラキス
・黒幕の始末
・遠隔無敵作戦
全般に、
それが出来るなら初めから……、という展開が多い。
登場人物とシーンを切って一時間くらいにまとめると楽しい映画になると思う。
現実世界の中で、時々、頭の良い人がめちゃくちゃなことをすることがある。
まわりにそれを褒めそやす人がいる。
異論を聞かない細かな集団が決定権を持ったとき、本人達は冷静で、適切な選択をしているという意識で、とんでもない事をしてしまう。
SNSの基本的なスタンス、見たい人が見て、見たくない人は見るな、が社会全般に浸透してきているのだろう。
あとは自分の文章がそうでは無いことを祈るばかりだ。
もう今後のシリーズは見るまい。 (二回目)