2013年6月16日日曜日

華麗なるギャッツビー(2013年版)

★★★☆☆
~男惚れするいい男~

1925年の小説を元にした映画作品であり、これまでに幾度も映画化されている。
自分はそのどれも未見だったので、この映画が初めての「The Great Gatsby」となる。
見ていなくとも、言葉として華麗なるギャッツビーという単語は耳にしていたし、ギャッツビーがどうやらいい男の代名詞的な扱いであることも感じていた。きざな格好つけの男、というネガティブな印象を勝手に持っていたのだが、物語の中のギャッツビーはどうにもこうにも、いい男だった。
前向きで、意志が強く、純粋で、危なっかしい。恋に盲目で愚かとも映るかもしれない。
ギャッツビーは、そういう、男が惚れる男だ。
女性にとっても、理想的な男と宣伝されていたが、自分はそうは思わなかった。彼の想いは、女性の曖昧さを許さないあまりに純粋なものだ。多くの女性にとって、それは正論の暴力になるだろう。

今作は3Dでも上映されており、そちらで鑑賞した。アクション映画ではないし、3Dにする意味があったのかどうかは疑問。3D間を生かすためか、やたらと動き回り、無理矢理気味の画面作り。もっと落ち着いた画面の方が、より物語を楽しめたのではないかと思う。今作以前の映画がどんなものであったのか興味が湧いた。

主人公は狂言回しのニックにトビー・マグワイア。ギャッツビーにレオナルド・ディカプリオ。
トビー・マグワイアの滲み出る人の良さと、正義の心。ディカプリオの苛烈な激情と子供のように純粋な表情。
みごとにはまったキャストだと思う。

この物語の魅力は、すでにこれまで証明されてきている事でもあるが、時代を超える。だから、また未来でリメイクされるだろう。時代時代のセンスを受け入れながら、どのような作品になっていくのか、将来出会える日が楽しみだ。