★★★☆☆
~裏返る世界~
コナミ発のホラーゲームを原作とした映画。
原作ゲームをしたことがあるかどうかで、感想もずいぶん違ってくると思う。
基本的にゲーム一作目のシナリオに忠実。だが、主人公を父親から母親に変えるなど、親子の愛情というテーマをストレートに伝えるための工夫には事欠かない。
感じるのは、制作者のゲームに対する愛情と敬意。従ってゲームプレイ経験者で、このシリーズが好きな者にとっては非常に楽しめる部分が多い。つまり、自分もそうだ。
それを差し引いても、ゲームに+αしたイマジネーションの広がりは特筆の価値あり。
表の世界と裏の世界を渡り歩くのがこのゲームのシステムだが、ゲームで描かれることのなかった、「世界の裏返る瞬間」を見事に描いている。
地獄とはこういうものか、という妙な納得感。
母と子(血はつながっていないのだが)のつながりに比して、夫と妻のつながりが非常に不安定なものとして描かれる。
常に首からぶら下げている携帯電話がその象徴で、ずっとそばにいるのに、間違った言葉しか伝えてくれない。伝わったと安心して、まるで伝わっていない。
これはラストシーンでも象徴的。
もし裏のテーマがあるとしたら、それは男女の求め合い、届かない関係性といえるだろうか。
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