2009年6月30日火曜日

エイリアン4

エイリアン4 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

★★☆☆☆
~女達の映画~ 

前作で悲劇的な結末を迎えた主人公、リプリーが再び墓穴から掘り起こされる

一作目から続けざまに見てみると、なにかもう深刻さを越えた喜劇のような気がしてくるから不思議だ。女版ロッキーみたいな感じか。
リプリーが気の毒になるが、そこは飲み込まなければ始まらない。

今作はこれまでのシリーズとあまり関連が無く、単体で鑑賞しても遜色なく楽しむ事が出来ると思う。シリーズ進行に従って、エイリアンの弱体化(人間側の対抗力アップ含む)が進んでいるため、底の知れない恐怖はなくなっているのは残念。
しかし、リプリー自身のエイリアン化、人間の遺伝子を含んだ新エイリアンの登場によって世界観の広がりが生まれている。方向性に好き嫌いはあろうが、前進も後進もしなかった「3」に比べれば評価できる点だ。そこから様々な物語の可能性も膨らむ。 

ただ、こうした追加要素を十分に生かせたとは言い難く、多用の消化不良は残るが、起承転結のとれた物語は無理無くコンパクトにまとまっている
3で下向きになったシリーズの調子に浮力を与えた作品だろうと思うが、その後続編はなく、世の評価は厳しかったということか。

ウェノナ・ライダーの張りつめた美しさが、切ない輝きを発しており、劇場で見た時の鮮烈な印象もいまだ心に残っている。彼女のその後の凋落には胸が痛むが、映画出演もコンスタントに続いているし、たいしたダメージではないのかもしれない。 

見終わって記憶に残るのは、リプリー(シガニー・ウィーバー)、コール(ウェノナ・ライダー)、そしてクイーンエイリアンの見せた母性。 

やはり、エイリアンは女性の戦う映画だ。 

監督ジャン・ピエール・ジュネは日本でヒットした単館系フランス映画「アメリ」の監督であり、接点があるような無いような不思議な印象である。


 一作目『エイリアン』の自分の感想はこちら。

エイリアン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
★★★★

~遠すぎない未来像~

二作目『エイリアン2』の自分の感想はこちら。

 エイリアン2 [Blu-ray]
★★★★
~相似拡大+α~

三作目『エイリアン3』の自分の感想はこちら。

エイリアン3 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
☆☆☆☆
~きれいだけど、おもしろくない~ 


 

0 件のコメント:

コメントを投稿