★★★☆☆
~軽い宇宙~
スタートレックを見るのは初めて。カーク船長とMr.スポックの名前くらいしか知らないので、そういった層の感想として読んで欲しい。
全般にテンポがいいが、何事も軽い。
スケールが大きいといえばいいのか、無頓着といえばいいのか、惑星規模の壊滅もただのワンエピソード。
そこに、情感はない。
登場人物の感情はパキパキときれいに切り替わり、後を引いたり根に持つことがない。皆一様にポジティブで、細かいことを気にもしない。悲しみに捕らわれることもない。
それがバカバカしいかというと、そういうわけではない。
画面クオリティとシーン断ちきりの潔さが、興味を持続させてくれるのだろう。
適度ないい加減さと明るさが、スタートレックというシリーズの特徴なのかもしれない。この感触はどこかで感じたな、と思い起こすと、特攻野郎Aチームであった。
ともかく、あっという間の二時間で、時間がすっ飛ぶ感じを久し振りに味わった。この情報量をこの時間にパッケージする手腕はすばらしい。楽しめる映画であることは疑いなく、娯楽映画として申し分ない。
ただ、感情的な掘り下げは無く、登場人物に感情移入することは難しい。
自分はほとんどスタートレックについての知識はないが、それでも耳の形が異なるスポックの顔は知っていたし、エンタープライズ号の形状も知っている。
この超巨大な知名度の影響を受けない、本当に初見の人の感想はどのようなものになるだろう。興味深い。
思い返してみると、特に何も残っておらず、ストーリーも児童小説のように公明正大すぎて影がない。
この後味こそ、ああ、娯楽映画だ。
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