★☆☆☆☆
~豪華俳優共演の駄作~
2011年の米映画。仕事を選ばなイメージに定評のある我らがニコラス・ケイジ主演のサスペンスドラマ。妻役にニコール・キッドマンが配され輝く美しさで画面を彩色している。
ダイヤモンドディーラーのカイル(ニコラス・ケイジ)は美しい妻サラ(ニコール・キッドマン)そして娘エイヴリーとプール付きの豪邸を新築したばかり。携帯電話で取引相手と電話しながら上の空の返事をするカイルにサラは呆れ気味。ティーンエイジャーのエイヴリーはなんとか今晩のパーティーに参加しようと家を抜け出す算段に忙しい。どこかすれ違いばかり、上辺ばかりの一家に強盗が押し入ってくる。
ふん縛られて金庫の中のダイヤを要求されるカイルだが、家族の命をかけられようがどんなに激しく打ちのめされようが、頑なに、あるいは口八丁手八丁に扉を開けることを拒み続ける。一体なぜそこまで解錠を避けるのか。カイルの抱えた問題はサラの問題にも連鎖し幸せな家族の裏側が強盗団の暴力によって披瀝されていく――。
ニコラスとニコールはさすがの熟練された演技で観客を引き込まんとするが、いかんせん脚本が浅すぎて引き込む深さがないという残念な作品。強盗団の計画もお粗末であるし、カイルの問題も世知辛く小規模。サラの事情もミスリードが中途半端でエイヴリーにいたってはいてもいなくても良さそうな存在感の軽さ。強盗団の頭領とカイルのやりとりだけが緊迫感のある見せ場と言えるが、単発のやりとりが細切れに立ち現れるだけで積み重なっていかない。
こうなるとサラ、ニコール・キッドマンの美しさだけが心の拠り所となるが、ミスリードを誘うためにだろうか、筋の通っていない行動が多発して感情移入できない。
物語はそれなりの二転三転を見せるが、不思議なくらい上滑りしていき、「ふ~ん、そうかあ……」程度の感想しか出てこない。ラストもこれまでの展開に砂をかけるようなもので、いやはや制作上大きな問題があったのだろうか。
総括としてはニコラスは仕事を選ばないなあ、ニコールは綺麗だなあに落ち着かざるを得ない。見なくて良いし、見てもすぐに忘れてしまうだろう作品。
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