★★★★☆
~ホワイトハウスでダイ・ハード~
2013年の米映画。「GODZILLA」「インディペンデンス・デイ」「紀元前1万年」で知られるローランド・エメリッヒ監督。
監督作品は良くも悪くもおおらかな設定、展開が映画ファンの突っ込み心を刺激するため、基本的に評価は低めであるが、その特性を「予期できない意外性のある展開」と受け取ってしまえるなら、娯楽作品として非常に高品質の作品を排出し続けている。
今作は身構える必要の無い娯楽アクション映画として非常に面白い作品だ。
問題山積みの冴えないおっさんがテロ事件に巻き込まれて巨大施設に監禁状態。こそこそ動き回って反撃。
内容はまさにダイ・ハードで、その面白さも負けてはいない。
舞台はアメリカの政治中枢機関としてあらゆる映画にも登場してきたホワイトハウス。観光客のツアーも組まれる開かれた施設でありながら、万全の防御設備がプロフェッショナルにより運営される難攻不落のアメリカの象徴。規模も大きくギミックも様々。庭を含めるとシチュエーションも多用で、まさに追いかけっこやかくれんぼに絶好の環境である。
ここが一気にテロリストによって陥落するのだが、なぜこうも簡単に……という部分のリアリティについては、示される原因で自分的には充分納得できた。主人公の娘の行動や、解決を図る外部の者たちの判断など、なんでやねん! の部分は非常に多いが、それらもキリキリと悪化していく状況の演出として十二分に作用しており、不利な展開に気をもむ観客の反応の範疇だろう。いきなり戦闘機で攻撃しようとしたり、特殊攻撃部隊がほぼ独断でヘリで駆けつけたりと無茶苦茶なのだろうが、それによって起こる状況が面白いのでよっしゃよっしゃと楽しんでしまう。
登場人物は多いが上手くキャラ付けされており、誰もが想像の余地ある興味深い人物として演出されている。特にテロリストのハッキング担当者とホワイトハウスツアーのガイドは出番こそ多くはないが要所要所で存在感を見せてくれる。こういった人物が、作り話を魅力的にしてくれるのだ。
ホワイトハウス内でのいざこざと別レイヤーで進む大統領権限の自動移行とその顛末も非常に面白い。テロリストの本当の目的と相まって最後まで物語を引っ張ってくれる。
自国の官邸が襲われるとなるとリアリティラインが厳しくなるのは当然なので、米国民には楽しみにくい部分が多いのかもしれないが、もとより映画でしか見たことのない、重要施設くらいの認識しか無い一般的日本人の自分にとっては、全編興味深く楽しむことの出来る娯楽大作だ。
2019年11月5日火曜日
ホワイトハウス・ダウン
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿