2019年11月21日木曜日

レポゼッション・メン

レポゼッション・メン 【Blu-ray ベスト・ライブラリー100】

★★★☆☆
~一途な愛情~

 2010年の米映画。SFアクション、サスペンス、いろんなとらえ方があると思うが、あえて「ゆがんだラブロマンス映画」と言ってみたい。
 

 近未来、人類は人工臓器を埋め込むことで壮健長寿を得たが、高価な人工臓器を使用するために長大なローンを組み、その返済に追われる人生を余儀なくされていた。返済が滞ると否応なく臓器は回収され部位によるとそのまま死亡となる。その回収人(レポゼッション・メン)の一人であるレミー(ジュード・ロウ)は相棒ジェイクと共に冷酷な回収作業にいそしんでいたが、危険な仕事をいやがる妻のたっての希望で安全な部署に異動することにする。惜しんで引き留めるジェイクを振り切って最後の回収業務に挑むが、相手を感電させようとした武器が爆発。ベッドで目覚めたレミーにジェイクが聞かせたのは、レミーの心臓が致命傷を受けたため人工臓器と取り替えたという事実だった。回収する側から回収される側に転げ落ちたレミーを待つ運命とは――。

 ☆以下多少のネタバレを含みます☆
 
 ローンが払えなくなったレミーは同じく多重債務者である女と出会い共に逃避行に挑むわけだが、立ちはだかるのは凄腕のジェイク。どんどんアクション映画になっていくのかと思いきやどうも様子がおかしい。そこまで積み上げたリアリティをぶちこわすような展開が続き、クライマックスは血まみれの体と体内をまさぐり合う異様なラブシーンとなる。急転直下万事がうまくいって良かった良かったとなるのだが、見ている方にとってはなんだこりゃと開いた口がふさがらない。
 ――のであるが、ここからがこの映画の真骨頂。突っ込んだ部分が別の意味を持って再構築されていく。好き嫌いはともかく、なるほど確かにそういう演出だったと納得せざるを得ない展開。
 
 冒頭にラブロマンスだと書いたが、誰の誰に対するロマンスだったか、これも最後にぴったりと判明するのでお楽しみに。

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