2019年10月7日月曜日

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 アルティメット・エディション ブルーレイセット(初回仕様/2枚組) [Blu-ray]

評価不能
〜金曜ロードショーではもう駄目だ〜

2016年、ザック・スナイダー監督。
映画館やDISCメディアで見る機会がなかったが、馴染み深いキャラクターの共演なのでどんなものだろうと気にはなっていた。
地上波初放送ということで見てみたが、説明不足な箇所が多いため状況やキャラクターの心情が難解な状態になっていた。

流石に本当にこれを公開したのか疑問に思い調べてみると、公開版が152分。
これでも説明不足だったということで、カットした部分を復活させて全体の編集も整えた「アルティメットエディション」が183分でソフト化されている。

対して金ローは宣伝含めて2時間強。実質100〜110分といったところか。
放送されないスタッフロールを10分としてみても、30~40分は公開版から短くなっており、これはどう考えても無理がある。

天才的な編集者なら異なる価値をその削減の中に表現できるのかもしれないが、見たところそうでは無い。そもそも、公開時は監督含む映画製作者が身を削るように編集して出来上がったものを、素性の知れない何者かが時間合わせのためにカッティングするのが異常といえば異常なわけで、このようなダイジェスト版を視聴してその作品を「見た」ことにするのは冒涜的行為だ。

地上波放送は、キャッチーなチョイスと視聴しやすさ、そして昔からの慣習(ネットもビデオも手の届かない環境ではテレビ放送の映画が全てだった)として、今も変わらず最も敷居の低い映画枠であると思う。少なくとも自分は今もそうであり、親近感が強い。
だが、そうも言っていられない有り様だ。

・勝手な時間削減
放送時間に合わせるための削除。
スポンサー表示の裏で本編を流して時間削減といった手法も

・勝手な画調変換
明滅の激しい部分を中心とする効果の設定。
激しい明滅は転換発作の呼び水となるため、一定の規則に従って修正している模様。
明暗の急激な変化を抑えるために画面全体のコントラストを低下。ブラーをかけて画面を時間的にぼかす。
この方法は時間圧縮の方式と親和性が悪く、テレビ放送程度のビットレートだとマッハバンドが多発。
ましてや録画視聴などだとさらにビットレートが低くなるため、画質が大幅に低下する。

・ネタバレキャプション
CM前後、スポンサー表示時などの画面に入る説明分。
場合によってはオチの示唆などトンでもレベルの情報を開示する。

今作は時間削減はもとより、戦闘部分の画調変化による劣化が著しかった
基本的にぼかす方向の調整が入るため、何が映っているのか分かりにくくなり、強い衝撃を表す演出が妙にマイルドになって物足りなくなっている。

あれこれとテレビ放送ならではの改悪が非常に多く、この状態の視聴で「見た」とは言いたくないため評価は不能にしておく。
今後アルティメットエディションを見る機会があれば、その後に再度感想を書こうと思う。

ただ、現時点では頭の硬いおっさん達が陰気な話を繰り広げるだけで気の重い作品だと感じている。
終盤に出てくる華やかなあのキャラクターに一気に全てを持って行かれているが、それも仕方がない。

さて、テレビで映画を見る場合、深夜やBSなど頭から最後まできちんと放送する映画枠を選ぶべきだろう。
そういった枠は地味な映画が多い気がするが、往年の評価が定まった名作も良くかかるので、効率が良い。
ともかく「本編ノーカット」をうたっていない放送を視聴する際には特に気をつける必要がある。

 

 

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