★★★☆☆
~身近なエージェント~
2015年のアクションコメディ。
アメリカにかつて実在した洗脳についての研究「MKウルトラ計画」を題材としている。
片田舎の町でコンビニ店員としてだらだらと毎日を過ごすマイク。魅力的な彼女フィービーだけが自慢で、何とか上手くプロポーズするタイミングを計っていた。
彼の前に突然現れた女性がおかしな言葉をつぶやき、それ以降何者かに命を狙われる。なぜかマイクが身につけていた戦闘技術と知識が発揮され窮地を切り抜けていくが、そもそも自分は何者なのか、彼の混乱は増すばかり――。
駄目男が凄腕エージェントだったという展開だが、駄目男っぷりはきっちり表現されているのに、凄腕っぷりが中途半端でコントラストがきいていない。結構ぼろぼろになりながらなんとかかんとか生き残る……、という展開に終始し、圧倒的強さという印象は無い。
突然力を得てもこうなるのかもなという共感は出来るが、もっとくっきり強い方が見ていて気持ち良かっただろう。しかしこれはあえてやっていることで、確かに全般において期待と微妙に異なる方向に話が進んでいく。ほほう、と微妙に面白い筋立てが最後まで続き、先が気になって最後まで飽きさせない。
登場人物はろくでもない奴らが多数だが、どんなに嫌なやつでも完全な悪ではなく、反対に完全な善もいない。親近感を覚えるような人間味のある人々が、自分の立場に合わせて容赦なく人を殺していく。このコントラストこそがきいており、切れ味抜群で気持ちが良い。
エンドロールの背景が映画内容を反映させたものとなっており、その後の作品世界の広がりと後味の良さを提供してくれる。
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