★★☆☆☆
~リアルの基準が分からない~
2001年のミリタリーアクション映画。
1990年代、バルカン半島(アドリア海を挟んだイタリアの東側)で起きた民族紛争に対応するためNATO軍の指揮下で展開していた米軍空母。
休戦協定締結間近となり、兵器管制士官であるバーネットは相棒のスッタクハウスとともに複座戦闘機による退屈な哨戒任務にあたる毎日だった。
軍にいながら戦闘もなく過ごす毎日にどこか違和感を感じるバーネットは、本国帰投後の除隊を申し出て上官とぶつかっていた。
クリスマス、またもルーチンの偵察任務中、休戦状態のはずが森の中に設営されている基地と、近隣住民に対する虐殺の証拠を発見、上空から撮影する。
和平合意に反対する武装兵力は地対空ミサイルを発射。F/A-18F スーパーホーネットは撃墜、二人はパラシュートによる脱出を余儀なくされる。
武装兵力は証拠隠滅のため追跡を開始。スタックハウスは捕縛の上頭部を撃ち抜かれて処刑。
一人残ったバーネットは証拠である撮影データを回収しての帰還に向けて動き始める――。
停戦間近ののんきな空母生活から一転して、ミサイルに追われる戦闘機、地上に降りてのサバイバル、追跡者との一騎打ち。
劇的な展開は飽きさせるることなく興味を引き続ける。特に空中戦の映像は見応えあり。
背景設定から現実に即したシビアな内容なのかと思いきや、大雑把なドッカンドッカンのアクションが続き、「ランボー」を彷彿とさせる。
ストップモーションや早回しを折り挟んだ演出も、リアルな戦場というより映画的なドラマチックを強調。
結果、フィクションぽさとノンフィクションぽさが混ざった、映画としてのリアルの線引(リアリティライン)が分かりにくい状態となっている。
最後の上官がヘリを運転して~のシーンも、いい話なのか冗談レベルの無茶なのか判別できず、監視衛星の映像も、さすがにあそこまでは映らないんじゃ……。
NATO軍とのしがらみといった政治要素を減らし、孤軍奮闘の米軍パイロットの大活躍に集中したほうが爽快なミリタリー映画として心置きなく楽しむことが出来たのではないだろうか。
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