★☆☆☆☆
~ドラえもんの秘密道具~
2014年。日本/韓国の合作映画。
原作は司城志朗の日本の小説。監督はキム・ソンス。
自宅で殺害された妻。そこにかかってきた電話の声もまた妻の声だった。
イラストレーターとしての記憶と医学研究者の記憶が混在し、揺らぐ自己同一性。
自分の正体を知るため、見え隠れする陰謀に立ち向かっていく――。
あらすじでは何か面白そうに見えるが、実際見ると肩すかしを食う。
主役を演じる西島秀俊の熱演はいつものクオリティだが、緊迫感のない絵作りと演出がそれに水をかける。
「基礎がしっかりしていて、モラルにしばられない」のが韓国映画の良いところで、「変な部分にこだわってねっとりへばりつく」のが悪いところだと思う。
今作は悪い部分ばかりが目立っており、全般に平板な印象。
重要なネタがドラえもんの秘密道具的な突拍子も無いものなので、全ての要素がばかばかしく感じられてしまう。夢物語を現実感があるように騙していくのがシナリオであり演出だと思うが、失敗している。というか特にフォローが無い印象。結果設定が完全に浮いてしまっている。
日本語と韓国語が混在して会話するのも、ちょっとありえないと感じる。どっちつかずで常にドラマから冷めさせられる。どちらかに統一してしまえばまだ見やすかったかもしれない。
合作の意義がマイナスに働いてしまった作品。
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