2019年9月27日金曜日

マイノリティリポート

マイノリティ・リポート [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray] 

★★★★
~隙のない熟練された技術~

トムクルーズ主演、スピルバーグ監督の近未来サスペンス。2002年の作品。
未来予知がシステムとして確立され、それを元に犯罪する前に犯罪者を取り締まる警察機構が存在する社会。
予知を元に犯罪者を取りしまる優秀な刑事ジョンだが、ある日の予知はジョンを殺人犯として告発していた――。

これだけでもういろんな展開が想起されてワクワクする。
話は二転三転の最後まで飽きさせない作り。
スピルバーグは「アクション映画は、もう作り方が分かったからいい」的なコメントと共にアクション映画から足を洗う宣言をしたという記事を読んだが、確かに製作者に掌で転がされているような心地よい映像体験。

特筆すべきは、近未来のテクノロジー設定。
新規性を持ちながら、現代技術の延長線上にあるような機器、インターフェースの数々。
自動運転前提で、居住空間となった自動車。なんと壁面も移動するが、居住部分は水平を保つ。
様々な資料を扱うのAR的な空間ディスプレイをハンドジェスチャーで掴んで配置。映像資料の時間を戻したり送ったり。
未来予知を行う「特殊な人間」を収める機械と、やけにアナログな手法でもたらされる予知。

2002年の映画だというのに、今見ても先進的で違和感を感じない。
それもそのはず。これら設定は当時の学者やデザイナの参加、協力の下に考案されたものだという。

シナリオも、演出も、役者も、デザインも、世界観も――。
隙のないみごとな作品で、スピルバーグの引き出しの多さには圧倒される。

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