★★★☆☆
〜各種SF詰め合わせ〜
鴨志田一の同名小説を原作としたワンクールのテレビアニメ。
高校生男子が周囲の女性に発症する超常的問題に立ち向かっていく。
まず主人公の枯れ具合がすごい。
よい大人である作者が、自分が若い頃に夢見ていたシチュエーションで言いたかった台詞をどんどん吐き出してる感じ。
他のラノベ主人公と違い、比較的自制心があり、無自覚な好意をまきちらさない。ややこしい状況になっても自分で片をつけようとするなど、おっさんならではの節度節制が見えるので感情移入しやすい。
数話ごとに異なるSFネタを柱に据え、それらをまとめるキーワードとして青少年特有の思春期症候群という超常的病気をかましている。
SF要素としては
・人の認識、記憶から徐々に消えていく少女
・少女の願いに応じて閉鎖し、同じ日付をループする世界
・感情のアンビバレントにより実際に二人に分裂してしまった少女
・姉妹の精神の入れ替わり
・眠りについたもとの人格と、代わりに生まれた人格の二者択一
本来異なるSF要素を一つにまとめて展開していくというのは「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズに似ているかも知れない。
一つのネタで引っ張りすぎることなく、テンポ良く物語が進んでいくのは気持ちが良い。
全編通した謎は最終回でも残り続け、それは劇場版で、という昨今散見する形式で幕を閉じるが、追加エピソードという感じなので残尿感はない。
演出も画面も安定しており、濫造されているラノベアニメから頭一つ抜け出していると思う。
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