2019年9月27日金曜日

ジュピター


★★☆☆☆
~あのマトリクスの監督作品!~

2015年公開のSFアクション映画。
女性主人公「ジュピター」はシカゴで清掃の仕事をして暮らしながら、さえない毎日を覆す何かを探している。
突然命を狙われ、空を飛ぶ靴を履いた男ケインに助けられ、自分が宇宙貴族の生まれ変わりであることを告げられる。
地球をその一族の植民星であり、そろそろ収穫の時期に近づいてきたため、所有権争いが活性化。
彼女の所有権を失効させて自分が権利を手に入れるため、見たこともない親族に命を狙われていたのだ。
地球から宇宙に舞台を移して戦いが繰り広げられていく――。

おとぎ話にしても突拍子も無さ過ぎるように感じるが、様々な設定の緻密さと画面クオリティの高さがそれを支えている。
特にケインの身につける空中をスケートやスノボのように滑走する装置と、それによる空中戦は新鮮な刺激。
誰の撮った映画だろうと見てみると、兄弟から両者性転換で姉妹になったウォシャウスキー監督の作品。
代表作「マトリクス」シリーズのような未来的ビジュアルは確かに姉妹作品ならではの雰囲気。
予算をきっちりかけただろうリッチな雰囲気をまとっているのも納得。

物語としてはスターウォーズⅣ~に似ているように思うが、まるでエピソード「Ⅳ」「Ⅴ」「Ⅵ」を1本にまとめたような慌ただしさ
本当は分作にしたかったのでは無いかと思われる分量を1本にまとめている。
ただ話は単純なので筋を見失うこともなく、設定のよく分からないところも気にしすぎなければそれほど視聴に影響しない。
テンポ速く進む物語、1本で起承転結している点は、今作の良いところだと感じる。

ただ、なかなか売りにくい作品だろうな、と思う。
ビジュアルもそのシーン単体でハートを掴んだマトリクスのような革命的な物では無く、物語もおとぎ話、昔話のようなありふれた印象。
これをどういうコピーや予告編で宣伝しようかと考えると、やはり「マトリクスの監督!」くらいしか思いつかない。
その威光も10年以上経っているので弱含みなわけで。  

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