★★☆☆☆
~思ってたよりも~
幼いカールが夢見た南アメリカの秘境にある天空から降り注ぐ滝――パラダイスフォール。
同じ場所への冒険心を持つ少年と少女が出会い、結ばれ、あっという間に時は過ぎ……おじいさんになったカール。
残酷な時の流れに翻弄されながらも再び冒険心を取り戻したカールは我が家に無数の風船を結びつけて空へ飛び立つ!
手慣れた語り口で一気に物語の土台を固めていく、さすがは傑作名作当たり前! のピクサー。抜群の安定感。
最低限のセリフで長い時間の流れを情感込めて描く序盤のすばらしさ。
ところがそれ以降はまあいつものディズニー冒険アニメだね、というお定まりの展開。
冒頭とそれ以降の差異が大きすぎて取り残される。
最後に小技を効かせてほろりとさせるものの、どうにもとっ散らかったままの印象で幕を閉じる。
思うに、文化の差異がノスタルジイの効果、人物への好感度を減衰させているのではないか。
作品の中でちりばめられたカールの思い出を飾るディテールが、日本人の自分には通用しない。
カールじいさんをはじめとした登場人物全般に好感度が足りない。結果のめり込めない。
序盤の雰囲気のまま(エリーのいるまま)の物語を見てみたかった。
CMで受けた期待が大きすぎたのか、それ越えることなく物語が終わってしまった残念感。
これは「ウォーリー」でも感じた事で、ピクサー映画は題材の決定と雰囲気の盛り上げがとても上手なのだと思う。
もしくは単純に、CMが上手い、ということか。
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