~映画ならではの叙述トリック~
★★★★★
叙述トリックというものがある。
推理小説のトリック、手法の一つで、例えば一人称の記述で「僕は一目惚れした」と表現しておき、後に自分は女性だと開示するような内容。僕=男性という思い込みに加え、惚れた相手が女性ならばさらにだまされてしまうだろう。
叙述トリックの多くは映像では再現できない。ずっと画面に出ている主人公の性別を偽るなど映像では出来ないからだ。
※もちろん叙述トリックが肝である作品も数多く映像化されており、それぞれに一筋縄では行かない工夫で問題を乗り越えている。
今作を見終わった時、これは叙述トリックの小説を原作とした映画なのだろうかと確かめたが、映画オリジナルの作品であるようだ。
素晴らしい。
もう一度はじめから、ポイントポイントを見直してみたが、映像の叙述トリックとも言える鮮やかさで観客をだましている。大仕掛けではなく、細かな演出の積み重ねが説得力を生み出しているため、見苦しさがない。素直に見られて、素直に転がされる。これも映画の醍醐味だろう。
中学来の親友である堺雅人と大泉洋を主人公に、「学校の続き」としてある大人の世界を描く。
「アフタースクール」という題名。見終わった後にはこの言葉にも色々な意味を感じとることが出来るだろう。
あまりあれこれ書くと未鑑賞の方にいらぬ知識を吹き込んでしまうだろうから、ここまでに。
未見の方は、ぜひとも情報を集めず、まず見て欲しい作品。
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