2014年12月19日金曜日

スター・トレック イントゥ・ダークネス

スター・トレック イントゥ・ダークネス [Blu-ray]

★★★☆☆
~優等生だが記憶に残らない~

2009年にスタートレックを劇場版としてリブートしたJ・J・エイブラムスが続いて登板した二作目。2013年公開。
この監督の特徴は、引きやフックを自在に配し、どのような内容もそつなくまとめる汎用性の高さにあると思う。誰からも文句の出ない(出にくい)出来の良い秀作をコンスタントに生む能力。ただ、特定の視聴者に強烈に刺さる一本ではないのかも知れない。

今作もオープニングからがっちりと派手な映像で観客を世界に巻き込んでいく。多少の違和感があっても次々と起こる事件が最後までドミノ倒しのようにつながり、飽きることなく見終えることが出来る。まさに値段分の映像体験が約束されており、文句を言うのがはばかられるゴージャスさ。このようなクオリティで作品を完成することが出来るのは素晴らしいと思う。

だが、それを承知で言わせてもらうと、今作は面白くない
第一作と合わせて言うなら、今作も、となる。
見終わった後、一定の満足感の背後に積み重なった違和感が山のように残り、後味に首をかしげてしまうのである。

登場人物の浅はかさ。(主人公の身勝手さに腹が立ち、敵役の動機にも説得力が無い)
テクノロジーの違和感。(それがあれば物語が成り立たないという機器が登場するのに、ご都合主義のみで回避)
大きいのか小さいのかよく分からない事件の規模感。(宇宙規模のはずなのにすごくこぢんまりとした事件の印象)

これらが大河シリーズ「スタートレック」の味だと言うのなら、それはもうそこまでの話。シリーズを追っていない自分には理解できない範囲だ。
そうでないのなら、脚本の問題を映像テクニックのみでカバーしたつぎはぎの映画だろう。

至極主観的な意見だが、自分はエイブラムス監督の作品が好みではない。
どの作品も楽しめる優等生なのだが、思い入れを感じないのだ。
暑苦しい、偏った執着心が生むいびつな魅力。
それが決定的に欠けている気がする。

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