2014年5月30日金曜日

ももへの手紙

 

★★★★
~みんなで観たい作品~


 「人狼」で名を馳せた沖浦啓之監督のアニメ映画。しまなみ海道あたりの小さな島を舞台に、父を失った少女の心の再生を描く。
 人の仕草、生活感、架空生物?の気持ちよい動き、アクション、細かな演出の積み重ね……。抑制のきいた落ち着いた雰囲気。
 昨今のジブリ映画にうすくなった(宮崎、高畑監督にしか出せなかった)空気を堪能できる作品。スタッフ的にからみがあるのかどうか分からないが、「ジブリアニメの総決算」と勝手に言いたくなる。
 きちんと後継者が育ち、宮崎、高畑監督が通過して行きすぎてしまった感覚に立ち戻ったアニメ映画がジブリで作られていたなら、このような作品になったのではないだろうか。ジブリは今後どうなっていくんだろうと勝手に心配していたが、こういう作品を見られるならジブリに限ることはないのだなあと思う。

 映画館で鑑賞した際、子供客が多く、笑い声や合いの手? が多く入った。それは決して邪魔ではなく、その場にいる見知らぬ人たちと一緒に笑いながら見ることが楽しい一作。映画館で見るのは、こういう楽しさがある。



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