★★★☆☆
~ピーターの物語~
新シリーズ一作目、二作目を見たあとあらためて見直してみた。
2002年公開だから、12年前の映画となる。
数字としてみるとそんなに昔か、と多少驚く。
12年の差は思ったよりも大きい。
ビルの間を自在に駆け抜けるスパイダーマンを自在なカメラでアクロバティックに描いた映像は、当時大きなインパクトだった。ジェットコースターに乗っているような主観的映像にシネコンの大画面で感激した記憶がある。
あの時点で最高峰だった映像が、今観ると不自然に感じられる。CGで描かれたスパイダーマンの動きは物理法則を乱しすぎており、違う加速度、重力の中で生きる存在を無理矢理この世界に連れてきたような(アメコミという点で実際そうなのだが……)違和感を感じる。比較すると新シリーズの映像は確実に一段高い次元に達している。
だからと言ったこの作品の価値が無くなるわけではない。スパイダーマンの滑空シーンイメージはそのまま新シリーズにも受け継がれているし、物語として非常に綺麗にまとまっている。なにより古き良きヒーローのイメージだったスパイダーマンを現代に完全復活させたという功績は大きいと感じる。
改めて見てみると、スパイダーマンよりもピーターを描くことに注力した作品だったのだと気づく。
さえない男がヒーローの力を手に入れて颯爽と大活躍……、なのだが、いちいちスマートではなくえらい目にあってばかり。それでも強い責任感で役割を果たそうと不器用ながらも努力する姿に親近感を覚えずにいられない。
身近なヒーローというスパイダーマンを、ピーターのキャラクターで描いたのが旧作なのだろう。
新シリーズはピーターではなくスパイダーマンとニューヨーク市民の関係性が身近だということを、スパイダーマンの活躍を通して描いている。
しかし、ヒロインの尻の軽さには久しぶりに見てみても閉口。当時も、今もM・Jのルックスはあまりあこがれの対象ではないように感じる。しかしだからこそ、ピーターは彼女の事が好きなのかも知れない。ピーターのオタク気質は非常にリアルで、内向的な秀才がヤンキー女性に惹かれるというのは、悔しいかな説得力がある。
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