2014年4月14日月曜日

エージェント・ライアン

★★☆☆☆
~2014年初頭の符合性~

「ペリカン文書」のトム・クランシー原作。少しずらしたスパイアクション映画。
ウォール街で一線を張れるほど優秀な博士号持ち。しかも元海兵隊で部下を助けるために半身不随になりかけた過去を持つ。ステディはリハビリ時の担当女医。
そして裏の顔はCIA。
書き上げて見るととんでも性能のスーパーヒーローだが、順を追って説明される状況は、彼の波瀾万丈な巻き込まれ人生。不思議と嫌みがない。
そんな彼は旧ソビエト残党がロシアでたくらむ通貨テロを阻止するためにモスクワへ。
ガスの供給にまつわるアメリカとロシアの対立。実際の爆破テロと組み合わせて計画される通貨暴落という経済テロ。
奇跡的なほど、今(2014/3/12)展開されている、クリミアを挟んだ東西対立と重なっている。このタイミングで公開されている最中にセンセーショナルなドル暴落など起こった日には、これはもう予言所と言って良い。もちろんそんなことにならないよう祈るが……。
映画自体は意外なほどコンパクト。アクション、サスペンス、敵との裏のかきあいにラブロマンス。様々な要素がコンパクトに、かつ適量収まっており、幕の内弁当のような安定感と予定調和。しかし大きな求心力や盛り上がりの無いまま幕を閉じる。
殴り合いのシーンに結構な時間を割いたりと、時間配分の意外性があり最後まで飽きずに見ることの出来る佳作。

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