2010年6月6日日曜日

そんな彼なら捨てちゃえば

★★☆☆☆
~映画の向き不向き~

女性の視点を重視した恋愛至上主義のトレンディードラマ。
昨今の過激な女性情報誌の内容をそのままぶちまけた感じ。
欲望をこぎれいな戯れ言とおしゃれな雰囲気でパッケージング。
最後はロマンティックと自己啓発。

あれこれぶっちゃけすぎていて、自分にはきつすぎる。
現実的すぎてきついというのではなく、抜け抜けと欲望まみれな生活を見せつけられて気が滅入るのだ。いや、これこそが現実なのだと認めたくないだけかも知れない。

この世に、真実の愛はない。

日々の生活を安定的に過ごすための楔、重石が多くの人間には必要で、そのために発生した依存関係が愛である。
これが、この映画の主張。
運命など無く、行き当たりばったりの思いこみが、なんだかドラマっぽいものを生むのだよ……。
確かに、反論しようがない。悔しいけれど、きっとそうなのだろう。
でも、だから映画を見るのだ。素敵な勘違いをしたくて映画るのだ。
それなのに、このような残酷を見せつけられるとは。

さらに全ての男女関係はセックスしてからでないと始まらないよ、というルール。
まあ映画だし、大げさにやってんだろうなと考えようとしたが、米国で育った帰国子女の知人曰く、アメリカはほんとにそうだよ、とのこと。
その言の信憑性は不明だが、少なくとも高校卒業パーティーでの経験談や、テレビの過激なお見合い番組の話を聞く分には根も葉もないことではないようだ。
万事米国の後追いが多い日本であるから、やがてこの国もそうなるのだろう。もうなっていて、自分が知らないだけなのかも。

この映画を見ていて、とある映画を思い出した。
「ワンダーランド」
同様に、だんだんと腐っていく日常を描いた作品だ。
今作よりも、わびしい登場人物達。身近で現実的だ。
その分、ラストの小さな救いが際だち、生きていく力をくれる。とても好きな作品。

比べると今作は、やはり痴話話好きのテレビ番組のようで、空々しさは最後まで消えることがない。
構成や展開にみるべきところがあるとも思うが、どうも反感が先に立つ。どうにも向いていない映画、なのだろう。

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