~失われた「なまはげ」感~
★★☆☆☆
2012年のアクション映画。米仏による制作で2008年の『96時間』の続編。
制作にリュック・ベッソンが関わっているのは同じだが監督は替わっている。
前作は娘を誘拐された主人公が元CIA工作員の能力を120%発揮して猪突猛進。法から解き放たれた獣が悪漢を容赦なく排除していく様はまさに爽快。分かりやすい構成で落ちも小気味よく、魅力あふれる一作だった。こちらに自分の感想があるので合わせて読んでいただくと通りが良い。
この「娘を救うため」という強力な目的を続編ではどう処理するのかという点が興味深かったが、どうもパッとしない。
イスタンブールで仕事をしていた主人公ブライアンの元に元妻と娘が観光に来るのだが、前作の悪役(ブライアンが殺害)の父親が復讐のためブライアンの家族を狙ってくるという展開。ともかく前進あるのみだった前作に比べ、元妻とブライアンが早々に捕まり、娘が危険を冒して助けに来る(というか、ブライアンの指示で助けに来させられる)などとっ散らかった印象に。良くあるスリリングなアクション映画になってしまっていて残念。見たかったのはブライアンのバカみたいな真っ直ぐさであり、狂気じみたなまはげ感、「わるいごいねが~」だったので肩すかしを食らう。
アクションシーンの多くに早回しを使用しており、きびきび動くのは気持ち良い。小刻みなカット繋ぎで何となく雰囲気を伝える編集も、自分はチカチカして苦手だが上手いなと思う。ただやはり、最も魅力的であった「娘のため」の代替を行えていないため、イスタンブールという異国情緒あふれるシチュエーションが主な魅力の凡作となってしまった。
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関連作のリンク。
◆シリーズ第1作『96時間』 の自分の感想はこちら。
◆シリーズ第3作『96時間/レクイエム』 の自分の感想はこちら。
~もはや「96時間」関係ない~
★★☆☆☆
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