2009年8月11日火曜日

妖怪大戦争

測定不能(これは吉本新喜劇)
~北極点到達~

寒いギャグ、寒いシナリオ、寒い映像の三つのCoolそろい踏み。
これを気にせず公開する様は、まさにCoolなBusinessStyle。割り切り良すぎて反吐が出る。

ハリウッドに比べ、残念ながら日本映画のCG要素はつたない。
かつて威容を誇った特撮技術も、技術の世代間伝授に失敗したため、すでに滅んだ。
妖怪が大暴れするという性質上、どうしてもCG、特撮が不可欠な今作。予算も低そうだし、映像クオリティに文句をつけても大人げない。むしろ、この程度のクオリティにはすでに慣れているので、悲しいかな特別に腹が立つわけではない。

見ていて厳しいのは、頭にくるのは、吉本の芸人総出演の安っぽさ。
TV番組のコントなら失笑で済ませることのできるシーケンスを最初から最後まで並び立てる。
これが新喜劇ならば、客は皆大前提として笑いに来ているのだから、相当空気が悪くない限り笑ってくれるだろう。

この映画はそれと知らずに入ったお笑い会場だ。
世界に入れない限り、常に忍耐をしいられる一種の修行に取り組むことになる。

たとえば……、
興味もないのに、女性に誘われてほいほいついて行ったアイドル映画とか、
演劇を見慣れてないのに突然見たライオンキングとか、
ちょっと企画説明して、と行ってみたら重役そろいぶみのマジ企画会議だったとか。

そんなの聞いてないよ~という絶叫が響くばかり。
その絶叫はある意味悲壮で、恐怖で、ああ、この映画自体が妖怪だったよ、と思えば納得できる。

ともかくこれは吉本新喜劇であって、映画の範疇で判断するのは難しい。測定不能とさせてください。

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