2020年9月24日木曜日

ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記

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※古い感想に追記をした記事です。
★★☆☆☆
~キラキラした飴玉たち~

 2007年の米映画。我らがニコラス・ケイジ主演のわずかに知的な雰囲気謎解きアクションコメディ。馬鹿映画なのだと思ってみた方がいい。

 歴史学者ベンのもとに古美術商のウィルキンソンが訪れる。彼がベンに見せたのはリンカーン大統領暗殺事件の犯人ジョン・ウィルクス・ブースの日記の失われた18ページだった。そこにはベンの祖先が暗殺事件に関与していたという記録が残っていた。ベンは、歴史的な遺産に隠された数々の暗号を解読しながら、一族にきせられた汚名をそそぐべく真相の究明に奔走する。<WIKIPEDIAより

  ヒントの連鎖をたどる宝探しが展開されるが、ひとつひとつの謎は孤立しており全体としての意味はない。これを製作者も認識しており、何と終盤では謎の提示や解法の説明をはしょりだす始末。なかなか画期的。
 どんな謎なのか良く分からないのだが、登場人物が悩んでいるから、ああ、謎に突き当たったのかと理解。分かったぞ! と叫んで仕掛けが動いていくから、ああ、解けたんだという具合。よく見たらそうでは無いのに何となくイケメンとして認識されるという「雰囲気イケメン」という言葉があるが、今作はまさに雰囲気謎解き。

 突っ込み所や謎のバカバカしさは、とにかく次の展開を見せることで置き去りにし、先へ先へと進んで行く。つまりは駄菓子屋の飴玉詰め放題でぎちぎちになった袋がこの映画。パッケージングのうまさは特筆されるべきで、際立つのは編集のうまさ。特典映像に未公開カットが沢山入っていて、それを見ればわかるが、意味不明になっても見ていて気にならないようにうまいこと編集された結果がこのテンポの良さなのだと理解できる。

 前作も同じようなテイストなので、このスタイルは狙って作られた物なのだろう。そういう意味では見事な続編で、更なる続編も劇中に予感させる。2020年時点でようやく3作目の立ち上げに動いていることが報告されたが、ニコラスがんばれるのか……。
 ともあれキラキラワクワクの詰まった飴玉の袋は家に持ち帰ってみると手に余り、忘れ去られていつか融けてしまう。この作品も、心に残り長年の価値を生むたぐいの物ではないが、一過性のときめきを楽しむのもれっきとした映画の魅力であり、大人向け「グーニーズ」と思えば実に楽しい。

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