2011年2月19日土曜日

ウォール・ストリート

~人情ドラマ~
★★★☆☆

この二時間は人生の糧になる! というようなコピーであおり立てているが、別段そうでもない。すべての映画が、その出来不出来や内容に関わらず、誰かにとっては糧になる映画である程度には、糧になるだろう。

だが、おもしろくないかと言えばそんなことは決してない。するすると進んでいく物語、一転二転する情勢の変化など最後まで興味を持って楽しむことが出来る。経済に対する知識がないと楽しめないという事はなく、むしろ知識がある方がディティールに引っかかってだめかも知れない。
自分は多少の投資経験がある程度だが、舞台は遙かに大規模な会社、国レベルのやりとりなので、専門用語は意味不明だ。それでも映画を楽しむのに特段不利にならない。そもそもこの作品は経済ドラマとして売ろうとしているが、実際は古くさい区分にはいりそうな人情ドラマであり、作っている側もそれをよく分かっている。
株価の激烈な変動やネットの情報の流れを実写に合成して象徴的に見せたりと、分かりやすさを重視して物語を進めているように思う。

売り方が内容と剥離気味なので知的な経済ドラマを期待しすぎると厳しいが、親子の確執、個人と他社の関係性など、人間ドラマとしては十分に楽しむことの出来る作品。

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