2019年9月11日水曜日

カリギュラ


☆☆☆☆
~無修正の中二感~

ゲームを原作としたワンクールのアニメ。
早々に世界の秘密、設定が説明されるので、この後どうするのだろうと反対に興味が強まった。

  • 意味深で意味不明な一人語り
  • 周りに合わせず個人のおもむくままに話し続ける
  • なにがしか傷を負って、それに苦しみながらも戦う姿勢
  • その苦しみが努力に置き換えられ、具体的な努力はしなくても特別な能力を身につける
  • 体のどこかを極端に大きくすることで強さ、かっこうよさを求める
  • デザインの一部にはかない要素を加えてワンポイントにする。例えば戦闘態勢なのに花飾り

上記のようないわゆる中二病的な要素を惜しげも無く投入し、それを茶化さずまっすぐに全編突っ走る。
当然かつて中二病患者であった自分は枕に頭突っ込んで叫びたくなる。

終盤にどんでん返しほどでは無いが、物語上の大きな(そのつもりなのだろう……)トリックが披露されるが、見せ方のせいか意味が分からない
手品師が右手にコインを包んで、左手を開くとコインが無い。また右手を開くとコインがある。どうだ! という感じ。   
これも中二病的なので、反対にゴクリとつばを飲みこんで鳥肌が立つ感じ。

「カリギュラ」とは、禁止されるほどやってみたくなる心理現象のこと(ウィキペディアより)らしいのでこの作品の名前としてふさわしいのかも。 
かつての中二病患者(治っているのか?)にとって恐い物見たさというか、オバケ屋敷的な作品

中二病でも恋がしたい!


★★☆☆☆
~動画としての出来が良い~  

小説を原作としたラブコメ。

中二病からの脱却を目指して高校入学した主人公は、いまだ中二病まっただ中のヒロインの中二活動に巻き込まれてしまう。
目指していたのとは異なる学生生活を送りながら、彼女も出来たしオタク友達も出来たしよかったね……。という内容。

こざかしい理屈をこねてごっこ遊びをするだけの内容だが、アニメとしての出来が良い
演出、作画などの水準が高く、物語とは関係なく、見て楽しむことが出来る。
とくに中二病イメージを可視化して展開するダイナミックな戦闘シーンは、これ主体でバトル物に出来そうなクオリティ。
しかし物語としてはたいした意味の無いお楽しみシーンでしか無く、心に残る物は少ない。
実写版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の実写部分とCG部分と言えばその断絶具合も分かろう。

果たして、見てから数ヶ月で物語や登場人物の多くが記憶から消えており、続編や映画版もあるようだが、特に食指も動かない。
即物的なアニメの楽しみ以外を求めてはならない工業製品としての名品

2019年9月10日火曜日

ヲタクに恋は難しい


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★★★☆☆
~オープニングアニメーションがとても良い~

「ふじた」の漫画を原作としたアニメーション。
様々な嗜好を持つ四人のオタクが繰り広げる恋愛模様。四人は同じ会社の同じ部署。
恋愛模様と言っても、組み合わせの変動や気持ちの疎通でごちゃごちゃすることはなく、第一話でカップル確定。
以降はその枠内での不器用なやり取りを、オタク友達として眺めているような感じ。

端々にオタク知識を前提としてやり取りが含まれており、主な魅力はそこになっている。
つまり、オタクじゃないと面白みが減じるが、そもそも自分含めてオタクにはそれさえ想像できない。
というか、私だけ分かる感、つまりオタクレベルの選民思想を刺激されて悦に入る事ができる
この作品を読む人のほとんどはそういった層なのだろう。

話としては進展が無いので、各人のキャラクター性を楽しむ作品となる。
作り話なので当たり前だが、オタクだけれど四人は美男美女。
なので、そこに違和感があると言えばあるが、別に不細工のがんばり見ても仕方ないし。

※最近ハリウッド中心に美人規制が進んでいるように感じる。 
これは間違っている。映画は作り話で、おとぎ話で、想像で楽しむ物なのに。
特筆すべき物としては「スターウォーズ8」がきっついことになってる。
※その意味では「げんしけん」はオタク人種が本当に見かけを気にしない半端な容姿なのですごい。
自分の姿が見えてもだえるけど。

演出や作画は高いレベルで安定している。
まんが由来かどうかは不明だが、背景を幾何学模様で処理するシーンが多く、これが浮つくことなくしっかり定着している。
きちんと作劇的な意図をもったデザインになっており、BGMのようにシーンの雰囲気を構築する素材となっている。
これはすごいと思う。

OPのアニメーションも昨今まれに見る傑出具合。
上述の高いデザイン性の中、切れの良いアニメーションが展開。
「パラパラ」の様な手踊りのシーンは、手話のように意図が伝わってくる。
このOPだけでも多くの人に見て欲しいなと思う。

されど罪人は竜と踊る Dances with the Dragons


☆☆☆☆
~無責任な産業廃棄物~  

以前映像作品の根本的なレベル分けについて、以下のように書いてみたことがある。

  <レベル外>
・何が描かれているのか分からない
どういう出来事が起きているのか分からない。
<レベル1>
・何が起こっているのかが分かる
どういう出来事が起こっているのかが分かる。
<レベル2>
・映像が安定している
絵柄、動きが整っており、鑑賞するのに気にならない。
・構図がとれている
構図が整っており、出来事が分かりやすく描かれている。
<レベル3>
・映像が魅力的
絵柄、動きが魅力的。
・構図がすぐれている
構図が緩急効いており、魅力的。
<レベル4>
・映像が物語と相乗効果を生んでいる
魅力的な映像が、言葉では表現できない情報を描き出し、物語を奥行きあるものとしている。
・構図が物語と相乗効果を生んでいる
構図が物語の意味を強調、補佐し、情感を加えている。

今作は紛れもない<レベル外>だった。

「浅井ラボ」氏の小説を原作としたワンクールの深夜アニメ。
昨今当たり前のように、伏線などの回収のないまま12話で終了。続編の話は現在聞こえない。

科学解釈の魔法で戦う二人組が、国同士の軋轢にすりつぶされていく人々を目撃していく物語。
個人ではどうしようも無い悲劇に巻き込まれた人々がテーマの一つなのかと思うが、その悲劇具合が分からない
そもそも複雑な国の関係を説明なしのまま進めるので、誰がどの勢力なのかが分からないのだ。
なので悲劇と言うよりただの残酷で、その表現が拙ければバカバカしい喜劇になる。
 
残念ながらこの作品はバカバカしい喜劇になっている。

国関係も問題だが、時系列もよく分からない。回想なのか現在の事なのかが不明なのでつじつまが合っていないように感じるのだ。
意味不明の複雑さは視聴者を置き去りにして、がんばっているキャラクターを冷静な目で見させてしまう。
じつにバカバカしい。

原作は出版社を変えながらも20巻以上続いている息の長い作品なので、アニメには無い魅力を持っているのだろうと思う。
とすると、アニメ化が失敗であり、そして、原作もバカバカしい内容に違いないと感じてしまう現状は、メディアミックスとしても失敗だろう。
この作品で幸せになれた人はいないのではないかと思う。

なぜこの作品を最後まで見たのかは、ひとえにあまりに意味不明だったため
話数をつないでも何も意味が分からないという点に興味を引かれ続けてしまったのだ。
もっと分かりやすい内容だったら、そうそうに見るのをやめてしまっただろうと思うと、この作劇クオリティの低さが視聴継続させたと言える。
しかしそれは世の中に不幸をまき散らすだけの力なので、まさしく「悪」であろう。
この感想の締めとしては、良くあるように引いた視点で一般化するのが相応しいと思う。

「大きな力の軋轢にすりつぶされる人々とは、このアニメ作成に関わった人々と、そして視聴したあなたなのだ」

デスマーチからはじまる異世界狂想曲


☆☆☆☆
~キャバクラアニメ~

「愛七ひろ」の小説を原作とした深夜アニメ。
ゲーム開発のプログラマーである主人公がマスターアップのために泊まり込みを続けて一段落。
会社の床に寝て起きたら異世界という展開。
細かい違いはあるのだろうが、後は以下の定形を外すことなく展開。
・初めから強い
・苦労せずにトンでも無い成果を得る
・ひたすら女性に優しくすることによって好意を得る
・ハーレムを築く
・話数がつきたらおしまい
またか、という思いは強いが、ともかくちやほやされるキャバクラアニメとして整っている。
それ以上を望むものでは無いだろう。1.2~1.5倍速で見る分には大きなストレスは無い。
所々小気味よく動くアニメの出来に感心するが、それ以上にげんなりする部分も多く、波があることでマイナスの印象が強くなる。
ともかく特段見るべき作品では無いと思う。
実際、数日すると他の作品と混ざって分からなくなってしまうだろう。

しかし、これらキャバクラアニメは、どうして一切の努力や挫折を排除するのだろう。
楽しい事だけを数珠つなぎにするのだろう。

物語として辛い展開を入れると、それをバネにして立ち上がる流れに乗せるのに、かなりの段取りが必要となる。
つまり、物語を作るのに、事前の計画と、辛い部分を過ごすこらえ性が必要となるのだ。
いわゆるネット連載小説。自主的に連載を開始する「なろう系」小説は、毎日な更新を続けることが重要だという。
想像し得る限りの気持ちの良い出来事を羅列することが基本なのだろうか。
それは見通しの悪い、近視眼的な展開を記述することになるのかも知れない。

一つ思うのは、こんな砂糖菓子アニメばかりだと、作っている方も食べる方も体に悪いだろうということ。

2018年12月20日木曜日

ダーティハリー

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 ★★★★
~これ単体で完全に完結~

1971年のアクション映画。クリント・イーストウッド演じるハリー・キャラハン刑事がサンフランシスコを舞台に活躍する。
自分の信じる正義を貫くためには、法律的な手順を無視し、暴力も辞さぬ頑固な姿勢と凶悪な武力44マグナム。雑多な危機をそれぞれにずばずばとクリアしていく小気味よさ。映画のアウトロー刑事像に一つの定型をもたらした記念碑的作品。
その後シリーズ化され1988年の「5」まで続いていくが、この度1~5をまとめてみる機会に恵まれたので、「1」をメインとして2~5もまとめて記しておく。

映画をそこそこ見るものなら、シリーズのどれか一作は目にしていると思われるが、1とそれ以外はかなり異なる。各ナンバリングはそれぞれに監督が異なっており、一作目の監督はドン・シーゲル。西部劇などアクション映画でその後の多くの監督に影響を与えている。「ワイルドバンチ」「ゲッタウェイ」のサム・ペキンパーは弟子。クリントイーストウッドもアカデミー作品賞に輝いた自身の監督作「許されざる者」をセルジオ・レオーネ(「荒野の用心棒」の監督)とともにドン・シーゲルに献辞している。
派手なアクション映画をイメージさせるこのシリーズだが、一作目は凶暴さと同じくらい知的な雰囲気に満ちている。ハリーと仲間や犯人のやりとりには機知があふれており、特に有名なのがさんざん銃撃戦をした後、リボルバーに残弾があるかどうかを余力の残る敵に応えさせるシーン。序盤と終盤で同じやりとりを見せるのも秀逸。
ベトナム帰還兵の狂気、動機無き快楽殺人者、劇場型犯罪、犯罪者の権利の保護など、当時の世情を反映しつつ、それらをハリーにぶち壊させることで爽快感を与えるとともに問題提議している。
記憶に残る映像も数多い。望遠レンズ越しに延々見せつけられる敵の視点。巨大な十字架モニュメントの真下を舞台とした銃撃戦。空撮の夜の街の灯り。それに絡めて緩急がしっかりついた演出で、例えば夜のスタジアムの真ん中(カクテルライトで照らし出されている!)で敵を追い詰めた挙げ句、ツーショットから街の夜景まで一気に引いていくシーンは焼き付いている。
残酷描写という点では銃器とナイフの裂傷程度で昨今の過剰なグロテスクに見慣れていれば、映像自体は他愛ない。が、物語展開自体が中々残酷。誘拐された少女を無事救うために、犯人の言いなりに街をかけずり回った挙げ句の結末であるとか、理解と信頼をつなぎ始めていた新しい相棒の戦線離脱によるハリーの孤独。ともかくハリーは仲間が少なく、評価されず、厄介者扱いされて行く。そんな中でも己の矜持だけを武器に普通では裁ききれない悪を打ち倒していく姿は、今でも輝きを失っていない。
犯人「スコルピオン」の演技も見事で凶器が綺麗にフィルムに焼き付いている。演じたアンディ・ロビンソンはあまりに印象が強かったため、同様の役柄オファーしか来ず、流れを立ちきるため一時スクリーンから姿を消さざるをえないほどだったらしい。
もともとシリーズを考えられていない作品であり、最後はハリーがバッジを投げ捨てて終わっている。
これは作品の締めとして非常に重要であり、身分を失っても、失う覚悟の上で、最後の戦いに挑んでいたという証明である。
続編はそれを無かったことにしてぬけぬけと描かれているので、すでに作品間の接続としては致命的な傷を負ってしまっている
とすると、やはりダーティハリーシリーズは1とそれ以外に分けて見るのがもっとも落ち着きが良いと言える。

今作の相棒は負傷の後、あまりの危険さから退職。
以降ナンバリングについてのメモ。

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★★★☆☆
~ヒーローVSアーミー~

1973年。法で裁ききれない悪人どもが続々と射殺されていく。
操作を進めていくと警察内に処刑組織が存在する可能性が浮かび上がり――。
大まかな展開は読めるものの、二転三転する状況は中々に楽しい。ハリーと並び立つほどの射撃の名手が敵となり、どのような打ち合いで結末を迎えるのだろう……と期待しているととんでもない方法で決着。意外すぎてこれもありかと思ってしまう。
処刑組織とハリー、同じ独善正義のどこが違うのか、それをテーマにしていたのかも知れないが、それぞれの「正義」の定義がどの程度緩いか厳しいかといった程度の印象。つまり組織は個人の判断では無く組織の判断で処刑を行っており、つまり責任は別の所に置いて殺人している。ハリーは自分の判断だけで、自分の責任において行っている。
これはつまり軍隊と正義のヒーローの違いであり、アベンジャーズにもつながる根深い問いかけであろう。
今作相棒は敵の仕掛けた爆弾によって爆死した。

<ダーティハリー3>

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★★☆☆☆
~女性の相棒~

市長、市警の警部補などににらまれて人事課に配属されたりと、上司との確執、押しつけで苦労するハリー。
女性警察官とのコンビを命じられて呆れながらも彼女の奮闘に心を通わせていく。
終盤のアルカトラズ島での銃撃戦ではロケット砲まで飛び出して印象的。

1作目から登場してきた気心の知れた同僚、相棒であるフランクはナイフで刺されて死亡。
今作の相棒で奮戦しハリーも一目置き始めていたケイトは銃撃戦で死亡。

<ダーティハリー4>

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  ★★★☆☆
~色恋有り~

 シリーズの中でこれだけがクリント・イーストウッド自身の監督作品。
被害者を置いて加害者の人権が守られる事への不信という、1作目と同様の問題提議が見られる。
立ち寄ったコーヒーショップでたまたま遭遇した強盗犯罪。終盤の遊園地での銃撃戦など記憶に残るシーンが多い。
何よりシリーズを通して唯一のベッドシーンなど、ハリーの人物像に厚みが加わった。

相棒は設定されていない。

<ダーティハリー5>

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☆☆☆☆
~ラジコンカーチェイス~
   

映画、マスコミ業界を舞台に有名人が亡くなっていく。
爆弾を搭載したラジコンカーとのカーチェイスはスケールが大きいのか小さいのか不思議な感触。

相棒は中華系。クンフーで活躍。実現しなかったが、ジャッキー・チェンへのオファーがあったとか。
死亡したかと思われたが、ハリーの忠告に従っていたため一命を取り留めた。